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味わう

2013 / 05 / 03

鮒寿し

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鮒寿し

鮒寿し「魚治・湖里庵」の鮒寿し

鮒寿し

鮒寿しと聞いて、どんなことを思いうかべるだろう? 顔をしかめる人、舌づつみを打つ人、そして、どんな味かな、首をかしげる人。もちろん、舌づつみを打つ人がいちばん幸せな人だけれど、そうでない人にすすめたいのは、おいしい鮒寿しに出会うこと。

ではまず、鮒寿しの作り方から学ぼう。鮒寿しのフナは、琵琶湖の固有種、ニゴロブナ。ウロコをとり、内蔵を取り出して、塩漬けにする。塩漬けの期間は、3ヶ月程度から、お店によっては2年くらいとかなりの幅がある。それをよく水洗いして、天日で干す。そして、近江米を炊きこんだご飯をフナの身の中に詰め、さらにその周囲にもご飯をしきつめ、再び一年くらい漬け込んで、おいしい鮒寿しの出来上がりだ。

最近では、ニゴロブナの漁獲量が減り、かわりにギンブナやゲンゴロウブナを使ったものもあるが、ニゴロブナの場合は、筒切りにしたとき、丸みを帯びた美しい姿に仕上がるのと、そして、骨まで柔らかく漬けあがる。他のフナでは、それが固いままと言われ、やはりニゴロブナで作る鮒ずしに勝るものはない。

鮒寿しがどうしても口に合わない人は、その生臭ささが苦手なのかもしれないが、発酵で生まれるチーズ臭といっしょになると、さらに香りは濃いものに変身。もちろん、鮒寿し好きには、この濃厚な香りとうまみがたまらない。個人的な意見だけれど、加工された魚類の珍味としては、おそらく長崎のからすみと並んで双璧ではないだろうか。日本酒はもちろんだけれど、冷やした白ワインなどとも絶妙の相性、ぜひ一度チャレンジの価値ありだ。

鮒寿しが大好きという人で、一度、徹底的に鮒寿し三昧をしてみたい人には、湖北、マキノにある「湖里庵(こりあん)」がオススメ。お店の名前は、奥琵琶湖を愛でた小説家の遠藤周作さんが足しげく通い、氏の通称だった狐狸庵にちなんでつけられた名前でもあるそうだ。鮒寿し懐石(8400円?)を注文すると、ふつうの鮒寿しはもちろんのこと、鮒寿しの甘露漬け、はさみ揚げなど、最後はお茶漬けまで、フルコースが楽しめる。なかでも、鮒寿しのチーズ包みは絶品。また、鮒寿し以外のアユや鯉などの湖魚も料理として出されるから飽きることはない。