

長年、デザインオフィスの(株)ドラフトで、同僚の渡邉良重(わたなべよしえ)さんとともに、D-BROSのブランド名で、数々のヒット商品を手がけてきた植原亮輔(うえはらりょうすけ)さん。「hope forever blossoming」と名づけられた、水を注ぐことで立体的な美しい花瓶に変身する商品を見かけたことのある人も多いはず。一見、子供のあそびのようなアイディアと、それを形にしていくデザインスキルの高さで、競争の激しいデザイン界にあって、まったく独自の世界を作り続けるクリエイター。この1月、渡邉さんとともに、デザインオフィス「キギ」を立ち上げ、新たなチャレンジが始まった。
―まず、渡邉さんと組まれるようになったきっかけから教えていただけますか。
植原―二人の持ち場が違うようなところがありますから、問題ないですね。僕は、どちらかというと、コンセプトやアイディアを考えることが多い。表現も、写真やタイポグラフィーやシンプルなグラフィック表現など。良重さんは、自分の世界観を表現するタイプかな。イラストが主体ですし、何よりも描きたくてしょうがない。それと二人でやるって、一人よりも、ずっとパワーが出るんです。最近の仕事は、プロジェクトを進めて行く上で課題が山積みでしょ。二人なら、そこをなんとか切り抜けられることが多いんです。プロジェクトを成功させることの方が大切なので、ひとりでADとしてやりましたということはあまり気にしていません。ひとりでやるものや複数でやるもの、いろいろあったうえで自分の輪郭がぼんやりみえてくれば良いのではないでしょうか。時代的にもそのような空気があるような気がします。
―フラワーベースも、そういう二人の協力から生まれたのですか。
植原―そうですね。あるとき、僕が、仕事の途中だった詰め替え用のシャンプーのパッケージに水を入れたまま、机の上に置いて帰ったんです。そして翌朝、会社に来てみると、良重さんが、それにお花を差していた。でも、それがそのまま商品になったわけでもなくて、やっぱりシャンプーパッケージの筒状のままだと、良くないんですね。それから、約半年後、実際に花瓶のかたちに熱で圧着してつくってみると、本物の花瓶に見えてきて、それから順調にデザインが進みました。
