

滋賀県甲賀市で木製の家具や食器、日用雑貨などを作る川端健夫(かわばたたけお)さん。もともとは大学で林業を学び、一時は農業を目指したものの、やはり自分はモノづくりが合っていると、木工制作を仕事に。今では、県内外に熱心な川端ファンを持つ。昔、農業學校の校舎だったところを改装して、パティシエールの奥さまといっしょに、パティスリーと木工ギャラリーを兼ねたショップ「mamma mia(マンマミア)を営む。
―ここのギャラリーの名前である「mamma mia(マンマミア)」とは、どんな意味なのでしょうか。
川端―「mamma mia」とは、イタリア語で、「何てこった!」という意味です。英語でいえば「OH my god !」と同じですね。有名なミュージカルや映画でも同じ題名のものがあります。それから家内の名前が、美愛(みあ)なので、それもひっかけていますが。
―「何ってこった」というのは、おもしろいですね。その「何てこった」という仕事をはじめられたきっかけは何だったのでしょう。
川端―農大で林業を学んだ後、三重県の農業法人で農業を始めました。1990年の初めのころで、ちょうどバブルがはじけた直後でした。その後、東京の郊外で農業研修を始める予定でしたが、住まいから農地に通う交通費がバカ高いものなって、ひとまず生活資金を確保することを考え、職業訓練校の木工科に入学しました。大学で林業を学んだこともあったからです。そして、訓練校に通いながら、芸術性の高い家具制作をしている職人さんのところに弟子入りしました。
