スパイラル「KIKOF」展 KIKOF EXHIBITION AT SPIRAL IN OMOTESANDO
マザーレイクプロダクツ「KIKOF」展が、東京・表参道のスパイラルビルで開催中だ。会期は11月4日(火)から11月24日(月)までの21日間。
オープニングの11月4日の夜に開かれたパーティでは、デザイナーをはじめとする大勢の人たちが集まり、「今、日本でもっともトレンディーな人たちが、全員、ここに集まったのでは」と思わせる熱気に包まれた。
集まった人たちは、キギ(植原亮輔・渡邉良重)の斬新なデザインと滋賀の職人さんたちの綿密な手仕事に、感嘆の声しきりだった。
これまで「KIKOF」製品は、信楽焼のカップやプレートのみだったが、今回は、滋賀のスギ材を使用したテーブルやイス、
近江の麻でつくられたランチョンマットや座布団、そして浜ちりめんのサシェ(香り袋)など、滋賀の伝統工芸技術と、デザイナーユニット「キギ」のコラボレーションの全貌が、その姿を見せた感じだ。
製品デザインは、人気の「KIKOF」独特の八角形をかたどったものに加えて、浜ちりめんのサシェに見られるように、ユーモラスで癒し系のデザインも新しく加わった。
サシェの制作にあたった長谷高行さんは、「ドルフ(サシェの愛称)可愛いねーと言っていただけて、評判は上々だったと感じております」と手応えを感じたコメント。
近江の麻のランチョンマットについて、制作者の北川陽子さんは、「中にメッセージ&ブランドロゴが別布で入っているというデザイン自体が新鮮で、
みなさん、アイデアに感心されていました。麻の上質感、透け感がその効果を引き出してくれたと思います」と、キギのデザイン感覚で、これまでにない麻の良さを表現できた様子。
さらに今回、訪れた人たちの注目を集めたのが、スギ材で作られたテーブルとイス、そしてスツール。信楽焼の「KIKOF」の器とぴったり息の合ったエッジの効いたデザインは、
これまでどんなところでも見たことのないような作品で、集まったプロの人たちからも、ため息がもれていた。
制作者の川端建夫さんは、「展示会での反応はとても良い感触を受けました。特にスギという素材を使った家具のデザインとしては、とても優れたデザインに仕上がったと思っています。
全体的なデザインの感想として、普通ではあり得ないテーブル天板や座面の厚さや脚の太さに、他では感じたことのない不思議な感覚を受けるとの声を多く受けました。
ナチュラルでラフな天板仕上げとキッチリしたウレタン塗装のギャップもその効果を引き出したように思います」と、今回のキギとのコラボレーションに、とても満足した様子。
また、「家具を詳しく説明すると、絶賛して下さる方がいて、気を良くした私が『スギを使った家具としては、業界に一石を投じるデザインになったと思います』と言ったところ、
その方も強く同意され、社員を連れてまた来るとおっしゃっていました」と、予想以上の反応に驚いた様子。
また、会場の多くのスペースを埋め尽くした信楽焼の制作者、今井智一さんは、「今回は、新しいアイテムとして、カップ&ソーサ、花瓶、そしてスプーンが加わりました。
とくにスプーンは作るのに苦労しました。そして、カラーもグレーが加わったのですが、その新色のグレーの引き合いもけっこう多いです」とのこと。
また何よりも、テーブルまわりの商品全体がラインナップされてきて、リビング空間全体ができて来たことがうれしそうだった。
そして最後に、今回のすべての「KIKOF」プロダクツのデザイン、そしてすばらしい会場デザインを担当したキギのお二人は、終始、会場の集まった人たちの輪の中にあって、
もちろん大満足の様子。会場の設営作業は、前日の夜10時からスタートし、すべて終了したのが翌朝の7時30分とのこと。ほんとうにお疲れさまでした。でも、集まった人たちの賞賛の声に、ほっとした様子の渡邉さんのコメント―「展示前の不安が嘘の様でした。
とても評判がよくて嬉しかったです」が、とっても印象的でした。