紀伊國屋ブルーベリーフィールズ
紀伊國屋ブルーベリーフィールズ
東京なら、紀伊國屋といえば、本屋というのが当たり前だけれど、滋賀ではそうではない。それはジャムで有名なお店。
紀伊國屋のブルーベリージャムをはじめて口にしたのは、ある人から、それをもらったのが最初で、そのジャムは、くださった当人が食べるために買ったものだった。紀伊國屋のジャムを食べたことがないというと、とにかくこれを食べてみなさいと、自分のバックから取り出して私にくれたのだ。そのもらったジャムを家で食べると、今まで食べたことのないおいしさに驚いた。ひとことで言えば、とにかくナチュラルな味なのだ。
それから機会があって、というか、ねらいすまして、比良山の中腹にある紀伊國屋のブルーベリーフィールズをたずねた。もよりの駅は湖西線の堅田駅だけれど、タクシーに乗っても15分くらいはかかる。クルマのある人は、その方がきっと便利。ただ、ランチを予約すれば、前日の17時までの申し込みで、先着7名まで、堅田駅から送迎のサービスがある。
冬場なら、多いときは、雪が2メートルくらい積もるという山の斜面を切り開いたところに、農園はある。その緑の中に、ブルーベリー農園を建てるのなら、こんな建物がぴったりだろうと、だれでもが思うような、ログハウス風のカフェ&レストラン棟が建っている。
一階はオフィスとおみやげコーナ?で、二階がレストラン&カフェ。二階からの見晴らしは最高だ。目の前の斜面にはブルーベリー畑がなだらかに広がり、その緑の先には、湖西の景色と琵琶湖が広がる。
陽の落ちかかる前におとずれた私は、ここでしか飲めないというブルーベリージュースを注文。似たような名前のジュースはこれまでも何度となく飲んできたけれど、この味を一度知ってしまったら、もう他のジュースはつらいかもしれない、と思わせるくらいの味がした。ジュースというよりも、たっぷりのブルーベリーをごちそうになったという感じだ。最初にもらってすっかり気に入ったブルーベリージャム”ファミリア”と、お店の人がすすめてくれたドライブルーベリーを、おみやげに買った。
私が帰るころ、ふもとから一台の乗用車が、入れかわりに上がってきた。きっとディナーのお客さんなのだろう。暮れなずむ湖岸の明かりを眺めながら囲む夕食のテーブルは、考えられる、最高のぜいたくのような気がした。