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味わう

2013 / 05 / 03

ソラノネ食堂

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ソラノネ食堂

ソラノネ食堂食堂のテラス席の向こうにブルーベリー畑が広がる

ソラノネ食堂

ソラノネ食堂? 名前だけでも、目の前に大きな青い空が広がってきそう。そして、その名のとおり、どこまでも続く広い空と、おいしい空気をいっぱい吸い込むことができる食堂がここ。

ソラノネがあるのは、湖西、高島市安曇川泰山寺。JR安曇川の駅から、琵琶湖を背に、阿弥陀山に向かってぐんぐんと山道を入っていくと、やがてぽっかり、高原のような場所に出る。そこが、ソラノネ。

左|かまどで炊いたばかりのご飯がおいしそう / 右|かまどで、ご飯炊き体験もできる左|かまどで炊いたばかりのご飯がおいしそう / 右|かまどで、ご飯炊き体験もできる

「ソラノネ」は大きく3つからできている。ソラノネ食堂、ブルーベリー畑、そして「竃(かまど)」。食堂で味わえるのは、毎朝、竃(かまど)で炊き上げたご飯と、地元の季節の野菜、それに、朽木(くつき)の森の幸をたっぷり食べたシカ肉のカツサンド。

おいしいものは、まだまだある。日替わりのケーキに、湧き水でいれた有機珈琲、そしてブルーベリージュース。ここのブルーベリージュースは最高。なぜなら、食堂の目の前に広がるのが、無農薬のブルーベリー畑。そこで採れたばかりなのだ。7月から8月にかけては、摘み取り体験もできる。

竃(かまど)では、秋葉の湧き水を使ってお米を研ぎ、薪を使って炊き上げる。それは、自然からのいただきものが、人が食べることができる状態に変わるまでを、そのまま感じることができる体験。

ソラノネの名前のとおり、どこまでも広い空がひろがる。近づいてみると、沢山のブルーベリーの実が。ソラノネの名前のとおり、どこまでも広い空がひろがる。近づいてみると、沢山のブルーベリーの実が。

ソラノネは「自然と人間の間の断絶をつなぐ存在」と、ご主人の松山剛士さん。松山さんは、マザーレイクサイトの最初にインタビューに登場していただいた「ブルーベリーフィールズ紀伊國屋」の経営者、岩田康子さんの息子さん。一からの「ソラノネ」づくり決意し、東京から滋賀に戻りここを始められた。

駐車場にとめてあるカーナンバーを見ると、地名の多様さがきわ立つ。各地から足を運ばれていることがわかる。みんなどうして、こんなところまで?

見渡すと、屋内やテラスや木の下で、思い思いに過ごすいくつもの家族連れの姿が。私たちはいつからか、「ここではこう過ごし、こうふるまうべきだ」とか、「ここでは、こうやって遊ぶものだ」とか、型にはめて考えがちに。でも、ここソラノネには何もない・・・だから、すべてがある。

ふと気がつくと、テラスの外で野外コンサートが始まっていた。阿弥陀山に響く美しい調べが、風にのって琵琶湖へと注がれていく。大地とのつながりを絶つ選択を重ねてきた私たちに、湖は静かに湖面をたゆたわせていた。