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味わう

2013 / 05 / 03

コアユ

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コアユ

コアユ

コアユ

春から夏にかけて、滋賀や京都あたりの料理屋さんに行くと、コアユというお品書きを見かけるようになる。コアユとは、小さい鮎のこと?それで半分くらいは正解だけれど、もう少し説明が必要。

コアユの「コ」は、小さいアユの「コ」で、10センチくらいの大きさでしかない。ただ、成魚になっても、小鮎なのだ。そのわけは、琵琶湖という、かぎられた広さの中で得られるエサの量が、大きくなることをさまたげているからだそうだ。びわ湖のコアユは、他の川の鮎とちがって、ミジンコの類を食べて育つ。知られているように、他の鮎は、川床の岩にはりついた苔を食べて大きく育つ。

そして、ちょっとビックリだけど、全国の鮎の3分の1くらいは、びわ湖のコアユを、それぞれの川に放流したものだそうで、それらのコアユがふんだんに苔を食べて、それぞれの地域の鮎に育つというわけ。

つまり、閉ざされた琵琶湖で生きるコアユは、生涯、また、系統的にいっても、海水を飲んだことがない鮎。真水の中に暮らし続け、苔を食べない小ぶりの鮎が、どんなにおいしいか、こればかりは、一度、食べてみないことにはわからない。

コアユの塩焼き